こんにちは、フォレストスタイルの森田です。今日は、私たちの住む地域で増え続けている「管理不全空き家」の問題について、深く掘り下げてご紹介したいと思います。この問題は単に一つの家屋の問題ではなく、地域社会全体に影響を及ぼす大きな課題です。
管理不全空き家とは
「管理不全空き家」とは、適切な管理が行われていない空き家を指します。この問題は、日本全国で深刻化しており、国土交通省は2023年3月3日に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。この改正は、空き家の所有者に対して、助言や指導、勧告、命令などの措置を取れる権限を各自治体に与えることを目的としています。
管理不全空き家は、放置されることで「特定空き家」になる恐れがある空き家とされています。これらの空き家は、例えば、窓が割れていたり、雑草が生い茂ったりしている物件などが該当します。これまで、空き家でも住宅として固定資産税が減額されるため、空き家が放置されることが多かったとされています。しかし、指定された空き家で状況が改善されない場合、その減額の措置を解除することになります。
さらに、法改正により、管理不全空き家で固定資産税が増税される可能性があります。管理が行き届いていないとみなされる空き家は、行政が指定し、その後、状態の改善が見られない場合、固定資産税の負担が増加することになるのです。 このように、管理不全空き家の問題は、地域の安全性や美観に影響を及ぼすだけでなく、経済的な側面でも重要な課題となっています。所有者や地方自治体は、これらの空き家に対して適切な対策を講じる必要があるでしょう。
問題点
安全上のリスク:
倒壊の危険性: 管理が行き届いていない空き家は、建物の老朽化が進み、倒壊のリスクを高めます。
火災リスク: 荒れた状態の空き家は、放火や不慮の火災の危険が増します。
環境・衛生上の問題:
不衛生な状態: 雑草の生い茂り、ゴミの放置などが衛生上の問題を引き起こす可能性があります。
害虫・害獣の発生: 管理不全の空き家は、害虫や害獣の住処となり得ます。
地域コミュニティへの影響:
不動産価値の低下: 管理不全空き家は周囲の不動産価値を引き下げる可能性があります。
地域の景観悪化:
見た目が悪い空き家は、地域の景観を損ないます。
法的・経済的な問題:
固定資産税の問題: 改正された法律により、管理不全空き家は固定資産税の減額措置が解除される可能性があります。
所有者の特定問題:
一部の空き家では所有者が不明で、管理や対策を行う主体がいない場合があります。
税制優遇
固定資産税の特例:
管理が不十分な空き家に対して、固定資産税を減額する特例が設けられていました。住宅用地には課税標準の特例措置があり、税負担が軽減されていました。この特例により、居住実態がない場合でも固定資産税等が最大6分の1まで減額される優遇措置を受け続けることができました。
固定資産税の増加の可能性:
平成27年度の税制改正により、「空家対策措置法」による勧告の対象となった「特定空家等」に係る土地については、住宅用地の特例の対象から除外されることとされました。これにより、固定資産税等が最大6倍になる可能性があります。
空き家の譲渡所得特例措置:
相続した空き家を売却する際の特例措置があります。この措置は、空き家発生の抑制の一環として設けられており、相続または遺贈により取得した居住用家屋や敷地を一定の期間内に売却する場合、譲渡所得の額から最大3,000万円まで控除することができます。
特例措置の延長と要件の緩和:
この特例措置は令和5年(2023年)12月31日が適用期限でしたが、2023年度税制改正大綱により、この適用期限が4年間延長される予定です。特例措置の対象は令和9年(2027年)12月31日までの売却に延長され、売却前の耐震リフォームや建物の取り壊しなどの事前対応が必要でしたが、売却後の対応でも特例の適用が可能になるなど、要件が緩和される予定です。
税制優遇の見直し
固定資産税の特例解除:
管理が不十分な物件に対して固定資産税を減額する措置が解除されます。これにより、管理不全空き家には、従来の税制優遇が適用されなくなり、固定資産税の負担が増加する可能性があります。
新たな「管理不全空き家」の定義:
「管理不全空き家」は新たに定められた区分で、放置されると「特定空き家」になるおそれがある物件がこれに該当します。窓が割れていたり、雑草が生い茂った物件などが例として挙げられています。
行政の指導と対応:
国土交通省は、管理不全空き家に対して行政が指導を行う新たな制度を導入する方針を固めています。指導により状態が改善されない場合、固定資産税の減額措置が解除されます。
特定空き家との比較:
現行の「空き家対策特別措置法」では、特に危険性が高い物件を「特定空き家」と指定し、撤去などの措置が可能ですが、多くの空き家がこの対象になっていないため、新たな「管理不全空き家」の区分が設けられました。
解決策
適切な管理の実施:
定期的なメンテナンスや修繕を行い、物件が倒壊のリスクや衛生上の問題を引き起こさないようにします。これは基本的な管理責任の履行にもなります。
空き家の活用:
空き家を賃貸物件、事業用スペース、コミュニティセンターなどとして再活用することで、放置された状態から脱却し、地域社会に貢献できます。
売却や譲渡:
使用されていない空き家を売却または譲渡することで、新たな所有者による有効活用が可能になります。また、売却により固定資産税の負担からも解放されます。
行政との協力:
地方自治体や行政と協力し、空き家対策に関する補助金や支援プログラムを利用します。これにより、修繕や再活用に関する財政的な負担を軽減できる場合があります。
相続問題の解決:
空き家が相続問題により放置されている場合は、相続人間での協議を行い、適切な処分や管理を決定します。
地域コミュニティとの連携:
地域住民やコミュニティと協力し、空き家を地域の資源として活用するためのアイデアを模索します。
フォレストスタイルへの相談
管理不全空き家の問題に直面している場合、フォレストスタイルでは、専門知識を持つスタッフが個別の事情に合わせた最適な解決策を提案します。空き家の有効活用、売却戦略の立案、または行政との連携に関するアドバイスなど、幅広いサポートを提供しています。
最後に
管理不全空き家は、個人だけでなく地域社会全体の問題です。この問題を解決するためには、専門的な知見と経験が必要です。フォレストスタイルは、この分野における豊富な経験を活かし、皆さんの空き家問題解決のために力になります。
ぜひ、フォレストスタイルにご相談ください。一緒に問題の解決策を見つけましょう。