
空き家を放置するとどうなる?固定資産税が最大6倍になる仕組みと、大阪市・守口市の相談窓口

情報更新日:2026年10月12日 / 執筆:フォレストスタイル株式会社 森田拓郎
実家を相続したけれど住む予定がない、親が施設に入って家が空いたまま——。空き家は、持っているだけでも税金や管理の手間がかかりますが、手入れをせずに放っておくと、固定資産税が上がったり、周りの家や通る人を巻き込む事故につながったりします。この記事では、放置すると何が起きるのか、2023年12月に始まった「管理不全空家」の仕組み、大阪市・守口市の相談窓口と補助を、大阪北部地震のときに私が見た空き家の話も交えて、まとめました。
- 手入れが行き届かない空き家は、市区町村から指導・勧告を受けることがあります。勧告を受けると、土地の固定資産税が最大6倍になります
- 2023年12月から、危険な「特定空家」の手前の「管理不全空家」でも勧告の対象になりました
- 大阪市は各区役所に、守口市は住宅まちづくり課に空き家の相談窓口があります。大阪市・守口市には改修や耐震の補助もあります
- 管理・貸す・売る・解体のどれを選ぶかは、建物の状態と、持ち続ける費用で決まります
空き家を放置すると起きること
- 建物が傷む:人が住まない家は、風を通さず水も流さないため、湿気やカビで傷みが早く進みます
- 事故の原因になる:瓦や外壁が落ちる、塀が倒れるなど。通る人にけがをさせると、持ち主が責任を問われます
- 火事や不法侵入:人の気配がない家は、放火やごみの不法投棄、侵入に狙われやすくなります
- ご近所とのトラブル:雑草や庭木が伸びる、虫がわくなどで、苦情につながります
- 売るときの価格が下がる:傷みが進むほど、買主様は直す費用を見込んで価格を考えます
森田が見た、大阪北部地震のときの空き家
2018年6月の大阪北部地震のとき、私が担当していた地域でも、空き家や空き店舗の被害がいくつもありました。
- 私が販売していた物件の隣の空き家で、建物の一部が崩れてきました。持ち主が分からず、市役所が対応したことを、市役所の方から直接うかがいました。
- 閉めたままの空き店舗で、飛んできた物が日よけのテントに当たって破れたこともありました。
人が住んでいない建物は、傷みに気づく人がいません。そのため、地震や台風のときに被害が大きくなりやすく、周りの家や通る人を巻き込むおそれがあります。持ち主が分からないときは役所が対応することになりますが、あとで持ち主が見つかれば、その費用を求められることもあります。
「管理不全空家」と「特定空家」──固定資産税が上がる仕組み
空き家の法律(空家等対策の推進に関する特別措置法)は、2023年12月13日に改正されました。これまでは、崩れるおそれがあるなど危険な状態の「特定空家」だけが対象でしたが、その手前の段階でも市区町村が動けるようになりました。
| 段階 | どんな状態か | 市区町村の対応 |
|---|---|---|
| 管理不全空家 | 窓が割れている、雑草が茂っているなど、このまま放っておくと特定空家になるおそれがある | 指導 → 改善しなければ勧告 |
| 特定空家 | 崩れるおそれがある、衛生上ひどく有害、景観を大きく損なうなど | 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政による解体など(費用は持ち主に請求) |
家が建っている土地は、固定資産税が安くなる特例(住宅用地の特例)があり、200㎡までの部分は税額の計算のもとが6分の1になっています。勧告を受けるとこの特例が外れるため、土地の固定資産税が最大6倍になります(都市計画税は最大3倍)。大阪市でも、指針で同じ流れが定められています。
持ち主が分からない空き家にしないために
相続した家の名義を親のままにしていると、持ち主がはっきりせず、手入れや売却の話が進みません。2024年4月から相続登記は義務になり、相続を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料(行政上のペナルティで、罰金とは別のもの)の対象になります。2024年3月以前に相続した不動産も、2027年3月31日までに登記が必要です。くわしくは相続不動産の放置リスクと早期対策をご覧ください。
大阪市・守口市の相談窓口と補助
大阪市(都島区・旭区・城東区・北区)
- 相談窓口:各区役所に空き家の相談窓口があります。都島区は、まちづくり推進課(06-6882-9734、平日9時〜17時30分)です
- 空家利活用改修補助:2000年5月31日以前に建てられた戸建て・長屋で、3か月以上空き家のまま、売るためではない改修が対象です。性能を高める改修は費用の2分の1・1戸75万円まで、耐震改修は2分の1・1戸115万円までなど。締切は工事が12月15日、診断・設計が12月28日で、予算に達すると早く終わります(2026年度。受付は大阪市住まい公社 06-6882-7053)
守口市
- 相談窓口:都市整備部 住宅まちづくり課(空き家/住宅施策担当)。市役所の代表電話は06-6992-1221です
- 空き家不動産無料相談会:毎月第4月曜日の10時〜12時、市役所1階の相談室で、不動産の専門家に売却・賃貸・処分の相談ができます。予約制です(06-4250-9191)
- 耐震の補助:1981年5月以前に建てられた住宅の耐震診断・耐震設計・耐震改修に、費用の一部の補助があります(2026年度)。空き家の解体だけを対象にした補助は、2026年度の計画には入っていません
放置しないための4つの選択肢
| 選択肢 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 管理する | いずれ住む・使う予定がある | 月1回は風を通し、水を流す。遠方なら空き家の定期巡回サービス(月5,500円〜)も |
| 貸す | 建物の状態がよく、駅や生活の便がよい | 貸す前の修繕費と、家賃で取り戻せるかを比べる |
| 売る | 使う予定がなく、持ち続ける費用が重い | 相続した家なら、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる(2027年12月31日までの売却) |
| 解体する | 建物の傷みがひどく、崩れるおそれがある | 更地にすると、翌年から住宅用地の特例が外れて土地の税金が上がる |
放置していないか、チェックリスト
- 庭の草木が伸びて、道路や隣にはみ出していないか
- 郵便受けにチラシがたまっていないか
- 窓ガラス・屋根・外壁・塀に傷みや破れがないか
- 市区町村から、空き家について手紙が届いていないか
- 相続した家の名義を、変えないままにしていないか
ひとつでも当てはまれば、早めに動くほど選べる道が広がります。当社では、空き家の現地の確認、売る・貸す・持ち続けるの比較、空き家の定期巡回、解体業者のご紹介まで、まとめてご相談いただけます。
出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年12月13日施行)」、大阪市「特定空家等に対する措置等の指針」、大阪市「空家利活用改修補助制度(令和8年度)」、守口市「空家対策について」「空き家不動産無料相談会」、法務省「相続登記の申請義務化」。窓口・補助の内容は2026年10月時点のもので、変わることがあります。
空き家のことを、

森田 拓郎
フォレストスタイル株式会社 代表取締役/宅地建物取引士
2007年から大手不動産仲介会社で約15年、売買仲介を担当してきました。相続したご実家や空き家の売却にも立ち会ってきました。大阪市都島区の出身・在住です。
対応エリア:都島区・旭区・城東区・北区・守口市(エリア外のご相談もお受けします)
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