
騙されるな‼不動産営業マン"悪魔のテンプレ"

【売却の罠】「今だけです」に騙されるな!他社と競合した売主様を救った、ある実話。
「不動産営業マンって、強引なイメージがあるけれど大丈夫?」「他社と比べてじっくり決めたいけれど、急かされたら断れないかも…」そんな不安を抱えていませんか?
不動産業界には、残念ながら売主様の焦る気持ちに漬け込み、不当に契約を迫る「グレーな営業テンプレ」を駆使する者が一定数存在します。今回は、私が実際に立ち向かった他社営業マンとの一悶着のエピソードを交えながら、大切な財産を守るための良好な判断基準をお伝えします。
1. 築50年の我が家、期限付きの売却相談
ある日、とある売主様から「自宅を売却したい」という切実なご相談をいただきました。 物件は築50年を経過した古いお住まい。売主様には「近所に建設中の新築マンションの特定の部屋を購入したい」という明確な目的があり、その資金を作るための売却でした。
マンションの人気部屋はすぐに埋まってしまうため、時間は限られています。「確実に、かつ早期に資金化したい」というご意向から、一般の買主様を待つのではなく、不動産業者に買い取ってもらう「業者買取」の方向で動くことになりました。
この売却にあたり、大手の仲介会社であるA社、B社、C社、そして弊社の計4社が競合する形で売主様へご提案することになりました。
2. 木曜日に鳴った一本の電話「もうA社に決めました」
買い取りの提示金額を揃えるため、売主様からは「木曜日にA社、金曜日にB社とC社が来る。森田君は土曜日にまとめて報告に来てほしい」と言われていました。 我々仲介会社は、それぞれ懇意にしている買取業者に声をかけます。4社が集まれば計数十社以上の買取金額が出揃い、その中から一番良い条件を売主様に提示して比較してもらう、という至って公平なルールでした。
ところが、私が伺うはずだった土曜日を前にした木曜日の夕方、売主様から突然の電話が入ったのです。
「森田君、悪いねんけど今日来たA社が買い付けを持ってきてくれてね。もうこの内容で契約することになったから、土曜日はもう来なくていいわ」
驚きました。まだ他社の金額が出揃っていない段階です。私は「うちで契約してください」とは言いません、と前置きした上で、「各社の条件が出揃うのを楽しみにされていたはずです。私の持ってきた金額と比べるだけでも損はありませんから、約束通り土曜日に伺わせてください」と粘り強くお伝えし、なんとかお会いする約束を取り付けました。
3. 「50万円の差」と「売り渡し承諾書」
土曜日、売主様のご自宅へ伺い、私が集めた中で最も条件の良かった買取金額を提示しました。 金額は「5,050万円」。すると、売主様が目を見開いて驚かれたのです。 「森田君、オタクの方が50万円も高いやん…!」
聞けば、木曜日にA社が提示した金額は5,000万円。まだ他社の出方を見ていない売主様に、A社は「今すぐこの書類にサインとハンコをください」と迫ったそうです。その書類の名前は「売り渡し承諾書」でした。
知っておくべき「売り渡し承諾書」の真実
買い手からの「この金額で買います」という書面(買付証明書)に対し、売り手が「その金額で売ります」と意思表示する書類です。多くの強引な営業マンは、これを書かせることで売主様に「もう後戻りできない」という心理的プレッシャー(罪悪感)を植え付けます。
しかし、宅地建物取引士としてはっきりお伝えします。「売り渡し承諾書」に法的な拘束力(ペナルティ)はありません。 正式な売買契約書を締結する前であれば、より良好な条件の買い手が見つかったという正当な理由で、白紙に戻すことが可能です。
「50万円も高く売れるのですから、A社に断りの電話を入れましょう」そうお伝えすると、売主様はその場で私の目の前でA社の担当者に「他社の方が条件が良いので、この前の話はなかったことにしてほしい」と電話をしてくれたのです。
4. 営業マン2人の"カチコミ"。暴かれた「今だけ」の嘘
一見落着、そう思ったのも束の間、インターホンが激しく鳴りました。 現れたのは、顔のパーツが真ん中に集まるほど怒り狂ったA社の先輩営業マンと、困惑した様子の後輩営業マンの2人でした。まさに「カチコミ」のような状態です。
「オタク、こんなやり方するんですか!」と詰め寄るA社に対し、私は冷静に「売主様にとって50万円も条件が良い提案がある以上、売買契約前の撤回は正当な権利です。」とお伝えし、売主様から50万円高いことをお伝えしました。
すると、その営業マンは信じられない言葉を口にしたのです。 「分かりました。じゃあ、うちが5,060万円で買わせてもらいます。オタクより10万円高いでしょ」とのこと。
ここで大きな矛盾が生じます。A社は自社で買い取る業者ではなく、ただの「仲介会社」です。間に入っている買主(買取業者)が金額を出しているはずなのに、なぜその場で10万円上乗せできるのか。
私が「仲介会社が金額を操作できる立場にないはずですが」と突っ込むと、「実は買主から100万円の交渉枠をもらっている」と言い訳を始めました。 ならば、なぜ最初の木曜日の時点で、その枠を使わずに5,000万円で売主様に迫ったのでしょうか。残りのバッファはどこへ行くつもりだったのか。
さらに、彼らが木曜日に売主様に詰め寄ったセリフが明らかになりました。 「この買主は、今この場で返事をくれないなら、もう5,000万円では買わないと言っています。今を逃したら損しますよ」 これこそが、不動産業界に蔓延する悪魔のテンプレートです。売主様に他社と比較させないために、「今だけ」という架空の恐怖を植え付ける手法です。
5. 運命の「くじ引き」がもたらした結末
A社の不誠実な対応を目の当たりにし、売主様の信用は完全にゼロになっていました。しかし、一度書類にサインをしてしまったという罪悪感から、売主様は「どちらか一方をスパッと選ぶのが心苦しい」と悩まれてしまいました。
そこで売主様が提案されたのが、なんと「紙を2枚用意するから、くじ引きで決めてくれ」というものでした。不動産取引がくじ引きで決まるなど前代未聞ですが、私は売主様の苦渋の決断を受け入れ、「良いですよ」と即答しました。
A社の先輩営業マンは「そんなの不公平だ」と激しく拒否しましたが、売主様から「くじに応じないならお宅とは契約しない」と一蹴され、しぶしぶ従うことに。 その先輩は、なぜか同行していた若い後輩営業マンに「お前が引け」と責任を押し付けました。手が震える後輩営業マンが引いた結果――見事、私が当たりを引き当てました。
最終的に、売主様は一番高い金額で、そして何より「安心して任せられる」形で、無事に新築マンションへの買い替えを成功させることができたのです。
6. 迷ったときは、セカンドオピニオンを
今回の事例から学べる教訓はシンプルです。 不動産営業マンが提示する「今だけ」「今ハンコを押さないと損をする」という言葉に、決して流されてはいけません。不動産取引において、そんなキャンペーンのような限定条件は早々存在しないのです。
もし、他社との比較を遮るような強引な提案を受けたり、書面にサインを求められて不安に思ったときは、立ち止まって誰かに相談してください。
私たちフォレストスタイルは、大阪市都島区を中心に、売主様に寄り添った「誠実で嘘のない取引」を徹底しています。他社の査定内容が正しいのかどうかを見極める「セカンドオピニオン」としてのご相談もお待ちしております。
