
「契約不適合責任」免責特約に潜む、売主様の重大な不利益

安易な免責特約に潜む、売主様の重大な不利益。
「家を売った後に、白アリが見つかったらどうしよう」「雨漏りがあったら修理代を請求されるの?」不動産売却を検討される中で、こうした不安を抱える売主様は少なくありません。
今回は、動画でもお話しした「契約不適合責任」の仕組みと、不動産会社が勧める「免責特約」の裏側について、宅建士の視点から正直にお話しします。
1. 「契約不適合責任」を一言で言うと?
契約不適合責任とは、簡単に言えば「契約書の内容と、実際の家の状態が違ったとき、売主様が負うべき責任」のことです。
例えば、売却後にお客様が住み始めてから、以下のような不具合が見つかった場合が当てはまります。
- 白アリによる食害
- 屋根や壁からの雨漏り
- 給排水管の故障(水漏れ)
- 建物の構造部分の腐食
これらが見つかった際、買主様から「森田さん、これ直してくださいね」と言われるのが、この責任の正体です。
2. 不動産会社が「免責」を勧める、本当の理由
この責任を「免除」する、つまり「後で何か見つかっても責任は負いません」という約束を「免責(めんせき)特約」と言います。
不動産会社の営業マンは、よくこの免責を勧めます。なぜでしょうか? 正直にお話しすると、不動産会社としては、免責にした方が「楽」だからです。
引渡し後のトラブル対応は、仲介会社にとっても手間がかかる仕事です。最初から責任をゼロにしておけば、会社側のリスク管理も簡単になります。しかし、それが売主様にとって本当にプラスなのかは、慎重に考える必要があります。
【警告】免責にすることの3つの不利益
安易に「責任逃れ」をしようとすると、結果として売却そのものを失敗させてしまう可能性があります。
- 買主様からの「邪推」を招く: 「あえて免責にするということは、何か隠している重大な欠陥があるのでは?」と疑われ、問い合わせや内覧が減ってしまいます。
- 成約価格が安くなりやすい: 買主様はリスクを背負う分、その分を価格交渉(値引き)の材料にします。結果として、相場より大幅に安く売らざるを得なくなります。
- トラブルがゼロになるわけではない: 知っていた不具合を伝えずに免責にした場合、それは「不誠実」とみなされ、免責特約自体が無効になる可能性が十分にあります。
3. 誰のための「免責」なのか、きちんと考えてみませんか?
免責特約をつけることが、すべて悪いわけではありません。築年数が非常に古い建物や、土地として売却する場合などは有効な手段です。
しかし、「誰のための免責なのか」を冷静に判断してください。不動産会社の都合で進められていないか? 売却価格を下げてでも免除したい責任なのか?
私たちは、売主様の大切な財産を「ただ売る」だけでなく、後味の悪いトラブルを残さず、かつ納得のいく価格で繋ぐことを使命としています。
「正直な売却」が、一番の近道です
家の欠点を隠すのではなく、正しく理解して正しく伝える。
それが、結果としてスムーズで高値な売却に繋がります。
契約の細かい条件に迷われたら、一度お茶を飲むような気持ちでご相談ください。
