
【実話】契約後に「幽霊が出るから解約したい」|白紙解除・手付解除と告知義務
▶ YouTubeで2026年10月11日 / 執筆:フォレストスタイル株式会社 森田拓郎
こんにちは。フォレストスタイル株式会社の森田です。
売買契約を結んだあとに、買主様から「幽霊が出ると聞いたので、解約したい」と電話がありました。前の会社にいた10年ほど前に、実際にあった話です。この記事では、その経過と、売却・購入をお考えの方に知っておいていただきたい3つのポイントをまとめます。
- 「幽霊が出るらしい」といった不確かで、あいまいな理由では白紙解除はできません。買主様がやめるなら手付解除(手付金を放棄する)です
- 売主様は、実際にあった事件・事故などを仲介会社を通じて買主様に伝える必要があります
- 契約をやめたくなったら、知人を頼る前に、担当の不動産会社に相談してください
実際にあったこと
- 角地の
中古戸建てに 築10年ほどの、とても良い物件。ご予算を少し超えていたため、購入申込書を書いていただいたあと、一晩考えて翌朝お返事をいただくことにしました申し込み - 翌朝の
お返事を 買主様が「買う」と決めて、売買契約を結びました受けて、 売買契約 - 契約後に
「幽霊が 買主様から電話。「周りの人から、あの家は幽霊が出ると聞いた」とのこと。売主様に確かめると「うちに幽霊が出るんですか?」と驚かれ、そうした事実はありませんでした出るから 解約したい」 - 「会って
ほしい 買主様の昔からの知人という60代の男性に「わしに免じて、白紙解除にしたってくれ」と迫られました人が いる」と 自称・元ヤ〇ザが 登場 - できない
ことは、 強い口調で詰め寄られましたが、法律に沿ってはっきりお断りしましたできないとお伝え - 買主様が
納得し、 「住んでみて本当に何かあれば、売却をお手伝いします」とご提案し、残代金の支払い・引き渡しまで終えました無事に 引き渡し
言われたことと、実際
知っておきたい3つのポイント
ポイント1 契約をやめる方法
売買契約を結んだあとに取りやめる方法は、主に次の3つです。「白紙解除」は、お金のやりとりなしに契約をなかったことにするもので、契約書で決めた条件にあてはまるときに限られます。
| やめ方 | どんなとき | お金 |
|---|---|---|
| 白紙解除 | 住宅ローンの審査が通らなかったなど、契約書で決めた条件にあてはまるとき | 手付金は返ってきます |
| 手付解除 | 理由を問わず、契約書で決めた期日まで(相手が契約の実行に取りかかる前まで) | 買主様は手付金を放棄。売主様は手付金の倍額を支払う |
| 違約による解除 | 手付解除の期日を過ぎたあとに、一方が契約を守らないとき | 違約金(売買代金の10〜20%と決めることが多い) |
今回の「幽霊が出るらしい」は、事実を確かめようのない、あいまいな理由です。白紙解除にはあたらず、買主様がやめるなら手付解除しかありません。手付解除の期日を過ぎれば、違約金の話になります。
ポイント2 売主様が伝えること
売主様は、物件で実際にあった事件・事故などを、仲介会社を通じて買主様に伝える必要があります。伝えていなかったことがあとでわかると、損害賠償や契約の解除を求められることがあります。人が亡くなったことをどこまで伝えるかは、国土交通省のガイドラインで目安が示されています。
| あったこと | 伝えるか |
|---|---|
| 他殺・自殺・事故による死亡 | 伝える |
| 自然死・日常生活での事故(転倒・誤嚥など) | 原則は不要 |
| 上の場合でも、発見が遅れて特殊清掃などが行われたとき | 伝える |
国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月)をもとに、売買の場合を簡単にまとめています。買主様から聞かれたときや、社会的に大きく報じられた事件などは、上の表にかかわらず伝えることがあります。
ポイント3 購入申込書を書く前に
購入申込書を書くと、仲介会社はすぐ売主様に渡し、契約に向けて動き出します。今回のように、申し込んだあとに一晩考えていただく形はめずらしいことです。ご予算やローンに不安があるときは、書く前にいったん立ち止まることも、時には大切です。
契約をやめたくなったら
売却でも購入でも、事情が変わって「やっぱりやめたい」と思うことはあります。私がお手伝いした中にも、手付解除をされた方が何組かいらっしゃいます。知人を頼りたくなる気持ちもわかりますが、誰が間に入っても法律の結論は変わりません。
今思えば、あの方は自分の知り合いの不動産会社で買わせたくて、「幽霊が出る」と言わせたのかもしれません。正直なところ、幽霊より生きている人のほうが怖いと思った出来事でした。
出典:民法第557条(手付)e-Gov法令検索/国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

森田 拓郎
フォレストスタイル株式会社 代表取締役/宅地建物取引士
2007年から大手不動産仲介会社で約15年、売買仲介を担当してきました。大阪市都島区の出身・在住です。最初のご相談からお引き渡しまで、代表の森田が担当します。
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