【実話】契約後に「幽霊が出るから解約したい」|白紙解除・手付解除と告知義務の画像

【実話】契約後に「幽霊が出るから解約したい」|白紙解除・手付解除と告知義務

売買

森田 拓郎

筆者 森田 拓郎

不動産キャリア19年

YouTube「幽霊が出るから解約したい」契約後に現れた自称・元ヤ〇ザ ▶ YouTubeで動画を見る(約10分)

2026年10月11日 / 執筆:フォレストスタイル株式会社 森田拓郎

こんにちは。フォレストスタイル株式会社の森田です。

売買契約を結んだあとに、買主様から「幽霊が出ると聞いたので、解約したい」と電話がありました。前の会社にいた10年ほど前に、実際にあった話です。この記事では、その経過と、売却・購入をお考えの方に知っておいていただきたい3つのポイントをまとめます。

この記事のポイント
  • 「幽霊が出るらしい」といった不確かで、あいまいな理由では白紙解除はできません。買主様がやめるなら手付解除(手付金を放棄する)です
  • 売主様は、実際にあった事件・事故などを仲介会社を通じて買主様に伝える必要があります
  • 契約をやめたくなったら、知人を頼る前に、担当の不動産会社に相談してください

実際にあったこと

  1. 角地の中古戸建てに申し込み築10年ほどの、とても良い物件。ご予算を少し超えていたため、購入申込書を書いていただいたあと、一晩考えて翌朝お返事をいただくことにしました
  2. 翌朝のお返事を受けて、売買契約買主様が「買う」と決めて、売買契約を結びました
  3. 契約後に「幽霊が出るから解約したい」買主様から電話。「周りの人から、あの家は幽霊が出ると聞いた」とのこと。売主様に確かめると「うちに幽霊が出るんですか?」と驚かれ、そうした事実はありませんでした
  4. 「会ってほしい人がいる」と自称・元ヤ〇ザが登場買主様の昔からの知人という60代の男性に「わしに免じて、白紙解除にしたってくれ」と迫られました
  5. できないことは、できないとお伝え強い口調で詰め寄られましたが、法律に沿ってはっきりお断りしました
  6. 買主様が納得し、無事に引き渡し「住んでみて本当に何かあれば、売却をお手伝いします」とご提案し、残代金の支払い・引き渡しまで終えました

言われたことと、実際

言われたこと「幽霊が出る家だから、白紙解除にしてほしい」
実際は幽霊が出るかどうかは、確かめようがありません。売主様に確認しても、地元にお住まいの買主様ご自身も、事件・事故の話は聞いたことがありませんでした。不確かで、あいまいな理由では、契約をなかったことにはできません。
言われたこと「わしの顔を立てて、なんとかしてくれ」
実際は誰が間に入っても、契約と法律で決まることは変わりません。このまま解約を押し通せば、売主様から違約金を求められるおそれもありました。

知っておきたい3つのポイント

ポイント1あいまいな理由では白紙解除できない買主様の都合でやめるなら、手付金を放棄する「手付解除」になります
ポイント2事件・事故は伝える売主様は、実際にあったことを仲介会社を通じて買主様に伝えます
ポイント3申込書の前に立ち止まることも、時には大切書けばすぐに契約へ進みます。ただし不動産は早い者勝ちです

ポイント1 契約をやめる方法

売買契約を結んだあとに取りやめる方法は、主に次の3つです。「白紙解除」は、お金のやりとりなしに契約をなかったことにするもので、契約書で決めた条件にあてはまるときに限られます。

やめ方どんなときお金
白紙解除住宅ローンの審査が通らなかったなど、契約書で決めた条件にあてはまるとき手付金は返ってきます
手付解除理由を問わず、契約書で決めた期日まで(相手が契約の実行に取りかかる前まで)買主様は手付金を放棄。売主様は手付金の倍額を支払う
違約による解除手付解除の期日を過ぎたあとに、一方が契約を守らないとき違約金(売買代金の10〜20%と決めることが多い)

今回の「幽霊が出るらしい」は、事実を確かめようのない、あいまいな理由です。白紙解除にはあたらず、買主様がやめるなら手付解除しかありません。手付解除の期日を過ぎれば、違約金の話になります。

ポイント2 売主様が伝えること

売主様は、物件で実際にあった事件・事故などを、仲介会社を通じて買主様に伝える必要があります。伝えていなかったことがあとでわかると、損害賠償や契約の解除を求められることがあります。人が亡くなったことをどこまで伝えるかは、国土交通省のガイドラインで目安が示されています。

あったこと伝えるか
他殺・自殺・事故による死亡伝える
自然死・日常生活での事故(転倒・誤嚥など)原則は不要
上の場合でも、発見が遅れて特殊清掃などが行われたとき伝える

国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月)をもとに、売買の場合を簡単にまとめています。買主様から聞かれたときや、社会的に大きく報じられた事件などは、上の表にかかわらず伝えることがあります。

迷ったら、伝えておく伝えるべきか迷うことは、まず担当の不動産会社に話してください。きちんと伝えておくことが、あとのトラブルを防ぎます。

ポイント3 購入申込書を書く前に

購入申込書を書くと、仲介会社はすぐ売主様に渡し、契約に向けて動き出します。今回のように、申し込んだあとに一晩考えていただく形はめずらしいことです。ご予算やローンに不安があるときは、書く前にいったん立ち止まることも、時には大切です。

ただし、不動産は早い者勝ち考えている間に、ほかの方が申し込んで買えなくなることもあります。どこまで待てるかは、担当の不動産会社と相談して決めましょう。

契約をやめたくなったら

売却でも購入でも、事情が変わって「やっぱりやめたい」と思うことはあります。私がお手伝いした中にも、手付解除をされた方が何組かいらっしゃいます。知人を頼りたくなる気持ちもわかりますが、誰が間に入っても法律の結論は変わりません。

まず担当の不動産会社に、事情を正直に話す
契約書の「手付解除の期日」「ローン特約」を確かめる
相手への伝え方は、不動産会社に任せる
担当の会社に話しにくいときは、別の会社に相談する

今思えば、あの方は自分の知り合いの不動産会社で買わせたくて、「幽霊が出る」と言わせたのかもしれません。正直なところ、幽霊より生きている人のほうが怖いと思った出来事でした。

出典:民法第557条(手付)e-Gov法令検索/国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

フォレストスタイル株式会社 代表 森田拓郎
この記事を書いた人

森田 拓郎

フォレストスタイル株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

2007年から大手不動産仲介会社で約15年、売買仲介を担当してきました。大阪市都島区の出身・在住です。最初のご相談からお引き渡しまで、代表の森田が担当します。

対応エリア:都島区・旭区・城東区・北区・守口市(エリア外のご相談もお受けします)

売却・購入・相続のご相談はこちら

相談・査定は無料です。「話を聞いてみたい」だけでも大丈夫です。

お電話:06-6967-9710
定休日:火曜日(不定休)・水曜日

”売買”おすすめ記事

  • 【都島区】戸建て・土地の売却相場と進め方|実際の取引583件・町と小学校区の記事一覧の画像

    【都島区】戸建て・土地の売却相場と進め方|実際の取引583件・町と小学校区の記事一覧

    売買

  • 【2026年10月】11月から短期プライムレートが0.25%上昇|変動金利の住宅ローンはどう変わる?の画像

    【2026年10月】11月から短期プライムレートが0.25%上昇|変動金利の住宅ローンはどう変わる?

    売買

  • 【2026年9月】大阪市の中古マンション「ワニの口」|中心6区は売出と成約の差1,802万円、18区はほぼ差なしの画像

    【2026年9月】大阪市の中古マンション「ワニの口」|中心6区は売出と成約の差1,802万円、18区はほぼ差なし

    売買

  • 【守口市】マンション売却の相場と進め方|実際の取引987件・建物別の記事一覧の画像

    【守口市】マンション売却の相場と進め方|実際の取引987件・建物別の記事一覧

    売買

  • 【都島区 高倉小学校区】高倉町・御幸町・友渕町の戸建て・土地の売却相場|実際の取引108件からの画像

    【都島区 高倉小学校区】高倉町・御幸町・友渕町の戸建て・土地の売却相場|実際の取引108件から

    売買

  • 【都島区】マンション売却の相場と進め方|実際の取引2,262件・建物別の売却ガイド一覧の画像

    【都島区】マンション売却の相場と進め方|実際の取引2,262件・建物別の売却ガイド一覧

    売買

もっと見る